未来は暗いよ、どこまでも

未来国会2011というイベントを観覧してきました。

未来国会とは公式HPより。

未来国会 2011 は、大学生による国家予算を切り口とした国家デザインコンテストです。大学生が未来の国家ビジョンをつくると共に、具体的な数値として予算に落とし込むことで「逃げ場のない、現実 的な夢」を競い合います。 およそ 2 ヶ月の期間を用いて各チームで国家ビジョン、予算(以後プランと呼ぶ)を策定していただきます。国家ビジョンを実現させる上で、どうしても政策間に優先順位が生じます。そこで試される意 思こそがこのイベントの醍醐味です。

大学生が20年後の未来のために5年後の国家予算をどうしていくか、をプレゼンしていくというイベント。
以前に観覧したapplim+のようにキックオフから2ヶ月かけて案を練り上げていくというものです。

この日は決勝ということで4チームがプレゼンし、会場にいる20代の人たちがどの案がよかったか投票し優勝を決めます。
結論から書いてしまうと優勝チームは「チーム東大・早大」でした。
プレゼンのタイトルは


「チャレンジャーズ国家ニッポン〜「課題”活用”先進国」に向けて〜」


彼らのプレゼンでキーになったポイントは2つあります。

  • リベラル・ジョブ制度
  • 年金制度改革

「リベラル・ジョブ制度」

リベラル・ジョブ制度とは将来の起業などのためにいろんな方面の企業で働くことが出来る制度です。簡単に書くと10年間で3職種に従事し、それらの中から問題点を見出し、それらの経験を生かし新たな仕事を考えることを助けてくれる制度となります。
こうしたチャレンジが増えることにより日本が他国より秀でることになる!というもの。

「年金制度改革」

恒久的な年金制度を目指して年金制度を改善しよう。財源の確保、至急年齢の引き上げなど。


私はこのプレゼンを聴いたとき、「うげえ」となりました。


「リベラル・ジョブ制度」は起業のために新たな視点を会得するために良い試みだとは思いましたが、果たして数年で辞めてしまう人材を企業は雇うのだろうか、という純粋な不安。それにどこかに転職してしまう人材に企業の知恵をつぎ込んで情報流出に繋がらないのだろうか?という2つの不安を感じました。


何よりも特に不快に感じたのは後半の「年金制度改革」でした。
年金制度はこのまま行けば破綻する!ということは常々言われていてそれを覆す何かを提案してくれるのかと思いきや、単なる改善案に過ぎませんでした。改革とはほど遠いような。支給年齢の引き上げをしていくとありますが、それはいつまで続くんだろうという虚無感。ちきりんさんが年金制度は永遠に引き上げられるよ!と書いていたのが脳裏によぎり、リスクに対する安心感なんて書いてあるけど全然面白くないよ、と聴いていて気が滅入ってしまいました。


今なら、当日のハッシュタグ「#m924」で彼らに批判的な意見が述べられていたのがわかる気がします。
ある人は彼らのプレゼンが「エリートによる上から目線のプレゼンだ」なんて書いてましたが、まさに彼らはリップサービスをしていたのだと思います。

チームメンバーには政治家になりたい人、官僚になりたい人がいて将来彼らが上に立つ時に支援してくれる人たちにすでに策を提示していたのです。


「これで未来は明るくなりますよ」と。


そういう彼らのプレゼンにうまく乗せられた人たちが彼らに票を投じ、彼らを優勝に導いたのです。
これはなんだか国会、いや日本の縮図を見せられている気がします。若者が選挙に行かない、なんて書かれますがこれでは投票に行っても同じのような気がしてきました。


「他のプレゼンに比べれば身近な話題だし、これに投票しておこうかな」
という気持ちが働いたのではないでしょうか。なんだかんだ言って日本人という同じ人種ですからね。思考体系が似通っているのもわかります。


私が言うのもなんですが大丈夫ですかね?未来は。


2011/09/24